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2008年6月19日
Category:[ つぶやき, 行ってみた ] Tag:[ CSS Nite | Web制作 ]
13日の金曜日に行われたCSS Nite Shuffleは、強烈な印象の残ったイベントでした。特に住さんと高木さんのトークセッションは、いろいろな思いを持って聞きました。どれだけ整理して書けるか分かりませんが、がんばって書いてみます。
お話を聞きながら、私はその場で「違う…」と思わずつぶやいていました。
いや、もう、「人種が違う」に近い感覚を持ちました。この人たちは、私と同じ世界に生きていない。「デザイナー」ではなく「アーティスト」だと思いました。
住さんは、セッションの最初にこうおっしゃいました。
「プロ野球選手は、野球が好きだからプロになるんじゃなく、プレイするのが好きだからプロになるんだと思うのです。みなさんも多分、なにかしら作ることが好きだからWeb屋をやっているんだと思うんですね」
私はこの時点で、違うと思っていました。
好きだからプロになるんじゃない。できるからプロになるんだ。
確かに、好きだからできるようになったというのはあるのかもしれません。でも、「好き」という気持ちがそのまま「プロ」には結びつかないと私は思うのです。少なくても私は、(Webページを)作るのが好きだから今の仕事をしているわけではないということは、はっきり言えます。
私がWeb屋をやっているのは、誰かの役に立ちたいから。誰かの望みを叶えたいから。
誰かのために何かを作ることに喜びを感じているのです。そこに「自分の作品を作りたい」という気持ちはまったくありません。私が作るものは「私のもの」ではなく「誰かのもの」になります。それがうれしいのです。誰かが、私の作ったものを喜んでくれるから、私はこの仕事をずっと続けているのです。
私は、作るのが好きなのではなく、誰か・何かの役に立つことが好きなのです。
作ることは目的ではなく、手段です。たまたま、私が役に立てる手段がWebを作ることだったというだけであって、私が役に立てることがもしWeb以外にあるなら、何も作り出さなくてもまったく構わないのです。
こういう人もいることを知ってほしいのです。
自分の作ったものが他人のものになることに喜びを感じて、Web屋をやっている人もいるということを。著作権だのクレジットだのというものは、私にとって何の価値もないのです。自分の作りたいものを押し通している暇があったら、他人に求められるものをたくさん作りたい。
住さんたちの話を聞いて、「何かを作り出したい」とか「自分の作品を世に出したい」とか思っている人が他人のためにWebを作ることって、きっとものすごく辛いことなんだろうなあと思ってしまいました。だって、自分の思い通りに作れないじゃないですか。「自分の思い」と「誰かの要望」を天秤にかけて作っていくって、きっととてもきついだろうなあと思うのです。私のものづくりのエネルギーの源泉は「誰かの要望」のみなので、天秤にかけるものがないから、その点は楽だよなあと。
住さんの言っていたことが本当だとしたら、今Webデザイナーをやっている人というのは、みんな「作るのが好きだから」やってるんでしょうか。もしかしてみんな、自分が作りたいものと、お客さんやユーザーの要望との狭間でとても辛い思いをしているんでしょうか?
だって、デザイナーだよ。誰かの望みを叶えるためにものを作る人でしょう?
デザイナーがアーティストになったら、願いを叶えられないよね。
それとも、自分の作品そのものに価値があれば、人の願いを叶えられると思っている…?
自分がすごくレアな感覚を持っているのか、それとも同じような感覚を持っている人が他にもいるのか、知りたいと思っています。20日のBarTubeのイベントのネタにもできるかなと思ったので、思い切って投げてみます。
12:50 AM|コメント/トラックバック(30)
Comment by みどりかわ — 2008年6月19日 2:23 AM
私は「作るのが好き」でデザイナーをやっています。
件のトークセッションには参加していないので
ふうりさんのおっしゃりたいことを完全には把握できていないかもしれませんが
「好きだからプロになるんじゃない。できるからプロになるんだ。」という点について
若干異論がありますのでコメントさせていただきます。
ふうりさんのご意見からは
「作るのが好き」=「自己表現をしたい」
と捉えられているように感じますが、
それは同じ「作るのが好き」でも
「自分の好きなように作るのが好き」=「自己表現をしたい」
ということであって、
「作るという行為が好き」な人間からすれば
他人の求めるものを「作る」という行為も喜びになります。
引用されている住さんの
「野球が好きだからプロになるんじゃなく、
プレイするのが好きだからプロになるんだ」 という言葉も
そういった事を指しているんじゃないでしょうか?
私は元々「作る」という行為が好きで
デザイン以外に音楽も料理も好きですが
結果的にデザインが一番自分に向いていたので
それが仕事になりました。
「自己表現」をしたいわけではなく
ただ純粋に「作る」という行為そのものが好きなので
仕事でWEBを作っていてもとても楽しいです。
「自分の想い」は制作上で織り込むことはありません。
あくまで「クライアントの想い」を私というフィルターを通して
より「ユーザー」に伝わりやすく加工しているだけです。
ですから天秤にかけて苦しむこともないのです。
ふうりさんの「他人の役に立てる喜び」のために
自分に出来ることがデザインだったからデザインをしている
というのも間違いではないと思います。
しかし同じように「作るという行為そのものが好き」だから
デザインをすることも間違いではないと思うのです。
「作ることが好きな人」=「アーティスト」
ではありません。
(当然作ることが好きでアーティストになりたい方もいらっしゃるでしょうが)
そうした視点でもう一度件のセッションを見直してみると
また違った感想が得られるのではないでしょうか。
なお余談ですが
私は著作権やクレジットというものはとても大切なものだと思っています。
現在「ダビング10」や「保証金」などで争っている著作権者団体の行為は
大変醜い、忌み嫌われて当然の恥ずべき行動だと思いますが
もの作りの世界で生きている以上、
「作る」ことで生きていく為の最低限の権利を守ることは大切だと思います。
もちろん、前述の団体のように権利を主張する為に
「作る」こと自体に悪影響を及ぼすことは本末転倒ではありますが。
Comment by まさっくん — 2008年6月19日 10:50 AM
コメントありがとうです。質問部分にお答えしますね。
>お客さんがビジネスで達成したい何かという観点で言えばデザイン
>カンプは手段(?)、通過点だということですね。
そのとおりです。デザインは、「自分の作りたいイメージを実現するため」にあるものではなくて、「お客さんの要望を満たすためにある」と思っています。
>自分の望みを叶えるの手段としての「作る」だったとしたら、
>そりゃあずっと叶わないんじゃない?
うん、これもその解釈でOKだと思います。
>この記事で「自分の作品」と述べられた「作品」とは、
>どういう類のものを指しますか?
そのまんまです。自分が作ったもの、という意味。
自分の作ったものが世間に広く認められて、それ自体がブランドとなっていれば、そのブランドを使うというだけでお客さんの要望が満たせる、と思っている人もいるのかなあ、という意味です。(これは批判ではなく疑問です)
>その「作品」を世の中に送りだそうというモチベーションで
>(Web)デザインをしている人を存じていらっしゃる上で、
>書かれたのでしょうか。それともこれから(20日のイベント
>とかで)会うであろうことを想定されて書かれましたか。
知っているというよりも、イベントの中で住さんが「そういう感覚をみんな持っている」ことを前提に話をしていたので、みんながそうで、私が特別違う考えを持っているのかなあと思ったということです。具体的に誰、と言われると分からないです。
これで、答えになってるかな。
Comment by fuuri — 2008年6月19日 10:54 AM
あら、コメントを書いていたらコメントがついてしまった。すいません。
>まさっくんさん
ありがとうございます。
まず、やっぱり誤解されちゃったかなと思っているのは、私は、「作るのが好き」でデザインをやっている人がダメと言っているのではないんです。むしろ逆で、それを認めた…というか当然だという世間の意識があると思った上で、自分が違う意識を持っているということを表現してみたかったということなのです。
だから、まさっくんさんのおっしゃることは非常に同意できますし、読んだ限りでは、異論ではなく、むしろ私も同感なのです。
一般的に著作権に意味がないと言っているわけではなく、「自分が仕事で作るWebデザインにクレジットが入れられないことに不満を持つ」ということが、私にはまったくないということです。
お二人にコメントをいただいて、自分の感覚がやっぱり人に伝わらないんだなあと実感しています^^;
やっぱり普通の感覚じゃないんかなあ、これって。
Comment by fuuri — 2008年6月19日 11:02 AM
ひとりごと。
なんかもっと時間をかけて根本のところから書かないとだめだなあ…という気がしてきました。私はWeb自体も好きという意識がない(not嫌い)こととか。
やっぱり30分くらいで書いた文章じゃ内容がペラペラだなー。
Comment by fuuri — 2008年6月19日 11:26 AM
なるほど、
「作るのが好き」でデザインをすることが違うということではなくて
「自分の感覚ってそれとは違うな」ということがおっしゃりたかったのですね。
私は「作るのが好き」で
私に関わる人たちが「幸せになる」ようなデザインをしたいと思っているので、
ふうりさんと私は大枠としてはそれほど違うことを言ってはいない気がするのですが
きっとその気持ちの大元が
「作るのが好き」から始まっているのか
「人の役に立ちたい」から始まっているのか
というところで大きく違っていて
そこがふうりさんにとって大きな違和感になったのでしょうね。
確かにこの業界に働く人にしては
珍しい感性なのかもしれません。
でもそれはそれで面白い、良い考え方ではないかと思うので
是非このまま走り続けてみてください。
他の人と違っていても何も問題はないですしね。
「自分が仕事で作るWebデザインにクレジットが入れられないことに不満を持つ」ということに関しては
私も理解できないですね。そんなところで自己主張する意味は感じません。
Comment by まさっくん — 2008年6月19日 11:27 AM
[...] fuuri さんとこの 作ることは、目的じゃなくて手段でしょ? を読んで思ったことをつらつらと。結論だけ書くと「両方とも必要でしょ」でおしまいなんじゃないかと思うけど、ちょっと [...]
ピンバック by Rauru Blog » Blog Archive » 作るのが好きな人 — 2008年6月19日 12:23 PM
丁寧に説明いただき、ありがとうございます。
>自分の感覚がやっぱり人に伝わらないんだなあと実感しています^^;
伝わらない、なんておっしゃらずに…(笑)。
ふうりさんがWebデザインをするモチベーションと私が仕事をするモチベーションが異なっているなと思ったので、分かりたいなという気持ちがあります。
これ、と思った意見には、その意見が自分に伝わるように質問したり、咀嚼して考えたりこちらで努力すべきだと思うし、伝わった上で自分にはピンとこなかったとか賛同しかねることはあるでしょう。
でも、それであっても尊重します。
ところで「何かの・誰かの役に立つ」という言葉の範囲が掴めないのですが、お客さんの目標達成の手助けとなった、という意味でしょうか?
ちなみに私の場合は、実務面では人の役に立つというよりプロジェクトの役に立つことを念頭に働いてます。ターゲットが誰かの「望み」ではなく誰かから出た「要件」になっているんです。
で、あれよあれよといううちにプロジェクトのゴールに達している、跡形もなく退散(本当はご苦労さんとか打ち上げ的なものがあってもいいのですが事情としてフェードアウトすることも多いです)、みたいな事が多いです。
また、ボランティア的な事をするときは、人助け(helpじゃなくてsupportとして)という意識があって、役に立つとはニュアンスを異にしてます。
記事の主旨と話がずれてしまいましたが、こうしてみると「私の感覚だけレアかも?」という事柄が、誰にでもありそうな気がしてきました。
ちなみに私は過去に「好きだからじゃなくてできるからプロになる」と、自分自身にそれを言い聞かせていた事があり、結局は苦しくなったのを覚えています。なんか、私は自分の主観を意識できる状態じゃないと、不安(生きていて大丈夫なの?というレベルの!)を覚えるみたいです。
ただ好きなだけで「頑張る」って意識がないままできるようになった部分もあるし、でもそれだけじゃ頭打ちという要素では好きなものをできるようにがんばって、「好く」ということができるようにもがんばって、だからよほどのことで自分の好きを諦められないし、やっぱ自分を動かしたエネルギーが好きというか強烈な興味というか愛(笑)?だったもので…。
Comment by みどりかわ — 2008年6月19日 12:48 PM
初めまして。
私も、あなたと同じ考えです。
人の為に、Webの仕事をしています。
かといって、作るのが嫌いというわけではありません。
本職は「デザイナー」ですが「アート」も趣味の範囲でする感じです。
共感が得られる記事だったので、コメントしました。
ではでは。
Comment by Rei — 2008年6月19日 12:53 PM
生きることは、目的じゃなくて手段でしょ?
作ることは、目的じゃなくて手段でしょ? http://fuuri.net/?p=133 私がWeb屋をやっているのは、誰かの役に立ちたいから。誰かの望みを叶えたいから。 誰かのために何かを作ることに喜びを感…
トラックバック by オレドコBlog — 2008年6月19日 1:13 PM
僕は「作るのが楽しい」からデザイナーをやっています。「好き」というよりは「楽しい」の表現の方が僕にはしっくりきます。もちろん仕事としてする(お金を頂く)以上「人の役に立ちたい」というのは当然ありますね。それに仕事となると「楽しい」ことばっかりでもないですし。。
> 好きだからプロになるんじゃない。できるからプロになるんだ。
これについてはよくわからなかったのですがどっちでもいいんじゃないのかなぁと思いました。プロである以上できないとダメなんですが。。
> 自分が仕事で作るWebデザインにクレジットが入れられないことに不満を持つ
これは何か勘違いしている人なんでしょうね。プロじゃないですね。プライベートでサイトをつくって好きなだけクレジットをつけてくださいって感じですね。
ここでfuuriさんが取り上げておられる話は、この職業に限ったことではない気がします。この例えが正しいのかどうかわかりませんが、サッカー選手にもロナウジーニョのようにボール蹴ってるのが楽しくてたまらないという人もいれば、とある選手のように仕事以外の何ものでもないと言っている人もいますしね。ただ職業柄、「好き」「楽しい」派の人の割合が多いと思われますが。。
何にしろ作ることでもいいし、クライアントの笑顔でもいいし「楽しみ」を見つけている人はきっといい仕事をしていると思います。
※自分言いたいことが分からなくなったので無理矢理まとめました。。
Comment by なかにしゆうすけ — 2008年6月19日 1:19 PM
[雑感][働き方]オナニー仕事の是非とかどうでもいいんだよ。
作ることは、目的じゃなくて手段でしょ?|fuuri.net オナニー前 「うおおお!!この技術スゲーかっちょえーー!!デザインもいかしてるぜ!!いつか俺もこんな凄い作品作りたいぜ!!…
トラックバック by 飽きたら消すよ。 — 2008年6月19日 1:59 PM
仕事とブログは違う、という事かもしれませんが、このエントリからは「人の役に立ちたい」という姿勢がそもそも見えませんでした。
大変失礼を承知で言いますが「人のために」ではなく「人の役に立っている人でありたい」という印象を受けました。それって、つまるところ自分のためですよね。
私は「人のために頑張ろう」と思いながらも、結構「自分」を出してしまう所があるのですが。本当に「人のために」が身に付いている人は、決して自分自身の事を表には出しません。
例えば、ブログのエントリだって「このウェブサイトに訪れた人が読んでくれたとき、その人たちにどんなプラス(幸せ)があるか」という事を考えて書くものではないですか?
「人のために」を貫くには、まず第一に「自分を殺す」とでも言うような(傍目にはとても厳しい)姿勢が必要なんじゃないかと思います。
苦労せずともそもそも身に付いている人も居ますが。。。プロとして一流な人には、そういう人が比較的多い気がします。
Comment by ななしさん — 2008年6月19日 2:14 PM
こんにちは。
デザイナー/アーティストの違いについて興味深いのでコメントさせていただきます。
デザイナーとアーティストの間にはグラデーションのように無数の階調があると考えています。
極端な定義をすれば、デザイナーは社会的動機からものづくりを行い、アーティストは個人的動機からものづくりを行うと言えると思うのですが、デザイナーであっても、誰かが何かを作るということは制作物に作り手の自己表現が何かしら表出するものですし、パブリックアートのように、どんなに個人的な動機から制作されたアート作品でも社会的な意味を持つ場合もあります。
べたな例ですが、中村勇吾さんの作るWebサイトは社会的な(ビジネス)目的のために制作されていますが、彼の作品と言える強力な個性も持ち合わせています。デザインという行為はクライアントの目的を達成するためにあるべきですが、目的を達成できるのであれば自己表現とデザインとは対立するものではないと思います。
私もfuuriさんのように「誰かのため」にWeb制作をしているというのがモチベーションのベースにはなっていますが、自分がデザイナーなのかアーティストなのかはつねづね考える所です。
でも、きっとそれは誰もが両方持ち合わせていて、たまたまCSS Niteの人は自己主張の強い方だったのではないでしょうか。
Comment by 110chang — 2008年6月19日 2:34 PM
わー、覚悟はしてましたが、予想以上に反響が大きいな。
とりあえず「ななしさん」へ。
ななしさんのおっしゃることは本当にそのとおりです。自分自身でそれをわかって書いています。
ご指摘の通り、私は「人のために役立つ人になりたい」と言ってます。その根底には自分のためという意識があります。誰かのためになるということは、自分にとってもプラスであるという意識は常にあります。
ただ、私が素敵だと思うプロは、みんな自分をものすごく素直に表現できる人たちだなあとは思いますね。今回のCSS Nite Shuffleに出演されていた方たちもそうです。私はまだまだ自己表現が下手で、苦労しています……。
いやー、私が常日頃思っていることをストレートに指摘いただいて、素直にびっくりしました。ありがとうございます。ほんと、この点についてはずっとずっと反省しまくりの日々なのです。
Comment by fuuri — 2008年6月19日 2:36 PM
手を動かすのが好きだ
なるほど説明不足だったな、と、ふうりさんのエントリを読んで思いましたので、補足的な意味をこめて「手を動かす」ということについて。 僕はゲームのある日はほとんど毎日、テレ…
トラックバック by 住 太陽のブログ — 2008年6月19日 2:59 PM
ほんとみんな志が高いな。
私的には、ずばり儲かるからやってます。だって、個人で、とりわけ際立った才能もなしに一千万以上も稼げる職業って他に無いでしょ。
Comment by p — 2008年6月19日 3:26 PM
自分が自分を見失っては元も子もない
友人で飲み仲間でもある(…よね?)ふうりさんのブログで、興味深い記事がありま…
トラックバック by withoutsugar (would be delicious.) — 2008年6月19日 4:02 PM
ずれてるかもしれませんが、なんとなく同感のような気がします。
私は元々イラストを描いていたのですが、
人にイラストを贈って喜んでもらえるのは嬉しくても
「売れるよ」という褒められ方をするとすごく不満でした。
その後、自分を活かせる仕事は何かなと思いデザイナーになったときも、
色が良いとかクオリティ面を褒められても全然嬉しくなくて。
でも、お客さんが、このwebサイトのお陰で売り上げが上がったよ!
と言ってくれた時は、ちょーぜつ嬉しかったんです。
で、今は某webマーケティング会社のディレクターやってます。
昔のお客さんのサイトをたまに作ってますが
自分としては「web屋」は廃業したと思っています。
ちなみにwebの仕事はもう12年目なのですが、
制作をやめようと決断したのは10年目ぐらいで、
その間、ずっとふうりさんに近いような
悩みを持っていたように思います。
そしてディレクターになった今だから言えることは
「私がやってきた(やっている)仕事」は一貫して
webを通してお客さんに儲けてもらうことだ、ということ。
その手段が制作であるか企画であるか、
ディレクションであるかというのは
あまり重要じゃないと同時に、
「結果を出せるだけの何かができること」は、
とても重要だと思っています。
その中で、自分が何のプロであろうとするかというのは
今でも、すごく考えています。器用貧乏にはなりたくないからw
ちなみに私の妹は、全く逆で
ディレクターからコーダーに転向しました。
彼女にとっては、自力でサイトの売り上げが上がることより
ソースが美しいことの方が重要なんだそうで、
彼女のweb屋暦はとても短いけれど、私よりよっぽど
web屋だなぁと感じています。
別に、どういう思いで仕事をしても良いと思うのですが、
(コメントにあるように、「両方」大事だと思うし)
私みたいに、本当にこの仕事を続けるので良いのか?
と思う時が来たら他の道を探せばいいだろうし、
そうじゃなければ、今のままいけば良いのではないでしょうか?
Comment by quu — 2008年6月19日 5:07 PM
fuuriさんの伝えたかったことは単純に人の役に立つ仕事をして、
お客さんに感謝されると嬉しいよね。
「作る」喜びよりも、そっちのがデカイんだけど、
これって自分だけ?ってことなんじゃないでしょうか。
(誤解を招きそうな表現は見受けられますが)
私はSEですが、fuuriさんの感覚に近いと思います。
Comment by ほりけん — 2008年6月19日 9:37 PM
子供を作る事が目的でHしてる人もいるし、そうじゃない人もいる。
私は最初から後期高齢者になる事を予想してたから子供をたくさん作ったんだ、とか語られてもね。
Comment by お — 2008年6月20日 12:22 AM
[...] ったイベントでした。特に住さんと高木さんのトークセッションは、いろいろな思いを持って聞きました。どれだけ整理して書けるか分かりませんが、がんばって […] original article [...]
ピンバック by 次なるもの » Blog Archive » 作ることは、目的じゃなくて手段でしょ?|fuuri.net — 2008年6月20日 1:01 AM
「外様」だからこそ感じる違和感
「何かを作り出したい」とか「自分の作品を世に出したい」とか思っている人が他人のためにWebを作ることって、きっとものすごく辛いことなんだろうなあと思ってしまいました。だって…
トラックバック by モノづくりブログ — 2008年6月20日 1:13 AM
MORI LOG ACADEMY: どちらが偉い?:
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/06/post_1936.php
ここから引用
“ものを作る人には技術がある。技術があるから、他人にも価値がある良質なものを作ることができる。”
引用文と今回のエントリを見て、
「その過程において、作った人自身がどこに関心があるかは、
人によって様々である」と思いました。
Comment by とんぼ — 2008年6月20日 4:16 AM
[...] 作ることは、目的じゃなくて手段でしょ?|fuuri.net (tags: development) [...]
ピンバック by links for 2008-06-19 « 個人的な雑記 — 2008年6月20日 7:43 AM
[ライフスタイル]感謝されたいじゃん
作ることは、目的じゃなくて手段でしょ? | fuuri 面白い、というか共感できるエントリがあった。 この人(fuuriさん)は、webデザイナーらしいんだけど、あるトークセッションを聞きに…
トラックバック by 綿津海乃記 — 2008年6月20日 9:13 AM
[...] 作ることは、目的じゃなくて手段でしょ?|fuuri.net 僕は作ることが好きだから。 (tags: motivation) No Comments Leave a Commenttrackback addressThere was an error with your comment, please try again. name (必須 [...]
ピンバック by links for 2008-06-20 « test — 2008年6月20日 12:32 PM
[...] 質問、重いですか? よけいなお世話ですか? そうかもしれません。でも、ふうりさんの「作ることは、目的じゃなく手段でしょ?」を読んで、お尋ねしてみたいなあと思ったんです。 [...]
ピンバック by たのしい仕事、たのしく仕事 - Re:Creator’s Kansai — 2008年6月21日 12:51 AM
デザイナー・アーティスト問題
作ることは、目的じゃなくて手段でしょ?|fuuri.net http://fuuri.net/?p=133 私がWeb屋をやっているのは、誰かの役に立ちたいから。 誰かの望みを叶えたいから。 誰かのために何かを作ること…
トラックバック by teruyastarはかく語りき — 2008年6月22日 4:46 PM
趣味でも何となくでやってることもあるのですから、
金が絡むことはどうしても「好きだから」でまとまらないですからね。
まあ気持ちを勝手に決められたら不愉快なもんです。
Comment by SUST — 2009年7月17日 10:37 AM
興味深く読ませていただきました。
私としては、「作ることは、目的じゃなくて手段」というより、お客さんの目標を達成するために成果物をつくる過程で「作ることが目的」化して視野狭窄的な考え方や言動に陥るのがよろしくないのだと思った。
さて、私は視覚的なデザインをしないのでそのあたりに疎いところがあるのと、イベントに参加していなかったため、いくつか確認させてください。
(本当はWebデザイナーさんやイベント参加者のコメントが欲しかった?ごめんね。)
たとえば、Web制作(構築)のうちデザインを決める段階で、デザインカンプを仕上げる?(つくるとは言わないのか?)のがその場での目的というか小さいゴールではあるけれど、お客さんがビジネスで達成したい何かという観点で言えばデザインカンプは手段(?)、通過点だということですね。
で、ふうりさんの記事では、後者(お客さんがビジネスで達成したい何か)をベースに述べていて、文中に「作る」という言葉が何回か出てきたけど、たぶん意味が2通りあって、(Web)デザイナーさんのモチベーションが自己表現?自分の望みを叶えるの手段としての「作る」だったとしたら、そりゃあずっと叶わないんじゃない?と思われたのだと解釈しました。
>それとも、自分の作品そのものに価値があれば、人の願いを叶えられると思っている…?
ちなみに、この記事で「自分の作品」と述べられた「作品」とは、どういう類のものを指しますか?住さんや高木さんが世に送り出した「作品」やそれに類するものでしょうか?
そして、差し支えなければ教えていただきたいのですが、その「作品」を世の中に送りだそうというモチベーションで(Web)デザインをしている人を存じていらっしゃる上で、書かれたのでしょうか。それともこれから(20日のイベントとかで)会うであろうことを想定されて書かれましたか。
長々と失礼しました。