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2011年5月17日

広告の存在意義を高めるために、今私ができること

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私はずっと、Web広告がすごく邪魔なものだと思ってきました。広告収入で生きているサービスの場合、広告がないとやっていけないのはわかっていても、自分がクリックをすることで、利益がそこにいくんでしょー、みたいなねじ曲がった感覚を持っていました。

今考えるとほんとひどい。

今、広告収入で生きているサービスの広告担当になって、広告邪魔!と思っている人がおそらく少なからずいる中で、広告というものの存在意義をそのサービスの中でいかに高めていくか、ということを考えるようになりました。

今の時点で私がそのためにできるのは、「しくみをうまく使い、ポリシーを守る」ことだと思っています。

広告が出るしくみはいろいろ

たとえば、
GoogleとかYahoo!のリスティング広告。
Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買ってます」(リコメンド)。

こういうのは、ユーザーの行動に基づいて広告が出るわけで、その広告が出ることには明確な「根拠」があります。「ほれほれ、こういうのがあんたの興味があるもんでしょ?データはそろってんだよ」という感じで、なんとなく「あなたの行動の結果なのだから、出してもいいわよね?」みたいな威圧感?がある気がします。(わたしだけですかね^^;)

ちょっと別の方向で、コンテンツマッチ(コンテンツ連動型)広告というものがあります。モバツイが出している広告の一部もこのしくみを使っています。

これは、バナーが掲載されるページにある内容を解析して、それに連動した内容の広告を出すというものです。モバツイの場合、みんながよく見るページはタイムラインページなので、その人自身のツイートだけが解析されるわけではないのですが、まあ、フォローをしている人は価値観がある程度合う人だったりもするでしょうから、大外れの広告は出てこないように思います。

広告には「新しい出会い」をつくる意味もある

個人的には、リスティング広告やリコメンドのようなものよりも、コンテンツマッチのほうが、広告としてユーザーに働きかけるパワーは大きいと思っています。

たしかに、行動に合わせた広告を出せば、その人の興味のあるものばかりが出てくるという意味で、気を引く可能性は大きいのかもしれません。履歴をとっていけば、それはより正確なものになっていくでしょう。でも、それって広告と言うのかなあ?という気がしています。

広告は「企業が売りたいものを生活者に知らせるもの」という側面は確かにありますけど、それ以上に、「生活者と商品との新しい出会いのきっかけ」であるように思うのです。商品を売るということは、もちろん企業が儲けるという目的もあるけれど、当然、生活者にとって何らかの役に立つものを商品にしているはずなのだから、生活者にとっても有意義なことのはずです。

広告はそもそも、生活者にとって必要な情報であるはずなのです。
世の中の広告が、ユーザーの普段の行動に基づいたものだけになってしまったら、「新しい出会い」がなくなってしまいます。いままで知り得なかったものに出会う可能性が、どんどん低くなっていくように思います。

しくみにポリシーを組み合わせる

とはいえ、モバツイは主にモバイルで利用されるサービスなので、限られたスペースと閲覧時間の中で、まったく無関係な広告ばかりを出してスルーされるのも悲しい。そういう意味で、行動に完璧に基づいているわけではなく、それでいてまったく的はずれなものでもないコンテンツマッチは絶妙なのではないかなと思っています。モバツイの場合。

そういった、仕組み上での広告表示の制御に加えて、広告掲載基準のポリシーをしっかり持っていることが、メディアには必要だと思っています。

掲載基準は、モバツイを使うユーザーのことを想像して考えます。130万人いるので、そりゃ簡単ではないですが、モバツイはほかとは気の遣い方が違うと考えています。モバツイはTwitterクライアントなので、なんかおかしな広告が出ていると即座にツイートされてしまいます。クレームよりずっと怖いです。モバツイの掲載基準はとても厳しいと各社に言われますが、ツイートされちゃうんだよと言うと皆さん納得してくれます^^;;

まとめると、システムとしての広告表示の制御と、人力での掲載ポリシーの維持の両方を組み合わせることで、そのサービスのユーザーにより近く、役に立つ広告の掲載ができるのではないか、と考えています。

広告もコンテンツの一部であり、ユーザーにとって必要な情報になるべきだと考えているので、モバツイを使う人が、何でもかんでも広告を邪魔扱いするのではなく、必要なものとして見てもらえるように、努力していきたいと思っています。

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