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2008年5月16日

ただ見せればいいってもんじゃない。

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先週土曜日のDesigner meets Designersのあとにみんなで食事に出かけて、そのときにヤスヒサさんといろいろ話をしました。そしてその2日後、何気なく一人で入ったバーで偶然会ったこもりさんとも、かなり長い間話をしました。二人ともフリーランスのWeb屋さん(もしているクリエイター)であり、文章で何かを伝える力のある人。だから、お話をしてると面白いんですよ、ほんとうに。

二人に共通していたこととして、「制作実績を公開しない」ということがあったんですね(聞かれれば答えるけど、Webで積極的に見せるということはしない)。実はこれは私もずっとやってきたことです。

なぜか。
実績を見せてしまうと、それだけをものさしにされてしまうから。

Webサイトというのは、お客さんの要望とか、予算とか、ユーザーのニーズとか、さまざまな状況に応えた結果として生まれるもの。制作するときに発揮されている力というのは、問題解決能力だったり、コミュニケーション能力だったりするんじゃないかと思うのだけど、実績からはそういうことはあまり見えてこない。同業の人とかじゃない限り、「この人はこんなデザインをする人なのね」「この人はこんなマークアップをするのね」とか表面的なところしか判断できない。

実績を見たい人は、作品を通じてその人の力を見たいと思うけれど、実績を出す側からすると「これがオレのすべてじゃねーんだよ」と思うわけで。実績を見せるというのは、フリーランスにとってはとても難しいことだなあといつも思います。会社だったら「集合体としてこれを作った」と言いやすいんだけど、フリーの場合、実績=自分自身の判断材料になってしまうので、簡単にほいほい見せると逆効果ってこともあったりする。

実績ではなく、何か別の方法で相手を信頼させたいとき、どうするか。
一つの手段としては、普段からのアウトプットというのはありますよね。アウトプットを通じて人となりとか考え方が見えていれば、実績を見なくてもある程度理解できるわけで。
ヤスヒサさん、こもりさんお二人とも、Web、雑誌、書籍、講演などさまざまな場所にアウトプットがあるわけで、それが一つの営業ツールになっているんですよね。

アウトプットに対するいい評価は、考え方に筋が通っていたり、共感できたりするからこそ得られるもの。お二人のように大々的にいろんな人に話をする機会がすべてのフリーランスに持てるわけではもちろんないのだけど、お二人のWebとかものを作ることに対する強い姿勢に学ぶことは多くあると思うし、実践できることもあると思います。

そして多分二人とも、そうやって実践してくれる人が増えることを望んでいるんじゃないのかな。
お話ししていて、そんなことを感じました。
「筋が通ったフリーランス」と、もっといっぱい話をしてみたいなあ。そういうイベント、やってみたい。

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